禁書に手を出してみた
「武士道とは死ぬことと見つけたり」
というフレーズを目にしたことある方は少なくないでしょう。
これは「葉隠」という書物の一説。
肥前国佐賀鍋島藩士・山本常朝が武士としての心得を口述し、それを同藩士田代陣基が筆録しまとめた(Wikipediaより)、いわば江戸時代の自己啓発書、と言えるかも知れない。
この書籍はこの「葉隠」の解説書。戦時中の昭和17年。すなわち約80年前に出版されたものの復刻版。
帯には「GHQによって没収・廃棄された」とありますが、読んでみてGHQがそうしたくなるのも分かります。
だって、これを読んで実践すると、
みんな幸せになってしまうから。
読んでいて、目から鱗が何枚落ちたか分からないけど、印象に残ったフレーズをいくつかご紹介。
毎朝の礼拝は、まず主君、次に親、それから氏神や守り仏に祈りを捧げる。主君を尊重すれば、親も悦び、神仏を受け入れてくださるだろう。このように、主君を思いやる以外のことは知らず、志が募れば、常に主君の身辺を警戒し、片時も離れないことが大切である。また、女はまず夫を主君と同じように考えなければならない。
「葉隠武士道 復刻版・現代語訳」松波治郎著・ダイレクト出版刊
自分は国家の一員である。どんなに小さな砂石のような身でも、やはり堤防を固める一分子だ――ということを考えて、日々勤務し、仕事に邁進するのが武士道である、と教えている。
同上
一生相手に明かさず、憧れ続けたまま死ぬことこそ、恋愛の神髄です。
同上
(中略)
現代の多くの恋愛は、まさに遊戯である。恋愛遊戯は、最も危険な火遊びである。
ただ、いかんせん80年前の書物なので、文言を額面通り真に受けるとちょっとしんどくなるかも知れないので、令和の世に最適に当てはめるためには「解釈」が必要。
そもそも、今は「武士」っていう職業ありませんからね。私は士業ですが。
結局言いたいのは、「主君」や「国」に尽くすべし、ということ。だから恋愛などの個人の幸せはそれとは対極的。
まあ、私のような自営業、あるいは会社の社長は主君が居ませんが。
その「職責」が主君のようなものなのかも知れません。
「個の幸せ」か「公への貢献」、この書籍では後者を優先すべし、と書かれているが、私個人としてはどっちも同じように追及して良いのでは、と考えました。
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