「ゆいごん」か「いごん」か?

司法書士試験の勉強を始めた頃、民法のテキストで「遺言」という言葉が出てきたのですが、講師の先生が「いごん」と呼んでいるのを聞いて、ちょっとした違和感を覚えました。

どうやら、一般的には「ゆいごん」でも、専門家では「いごん」と呼ぶらしいのでした。

あれから十数年、私もすっかり「いごん」と呼ぶようになりました。
「いごん」の方が文字数が少ないので言いやすいと感じます。

同業者間では「いごん」でも良いですが、相談会などで一般の方とお話する場合は極力「ゆいごん」と呼ぶように心がけています。
たまに「いごん」と呼んでしまうのですが(;’∀’)

ちょっとした言葉遣いの違いが、相談者様・依頼者様に寄り添う姿勢が顕れるのかなと考えます。

「遺言問題」は呼び方の違いだけで良いのですが、一般の方と専門家の間でニュアンスが異なるものの典型例としては「相続放棄」があります。

我々(専門家)の間では、通常、家庭裁判所への申述の事を意味します。
それによって、「初めから」相続人でなかったことになり、被相続人(亡くなった人)が遺した財産については一切権利がなくなります。

相続放棄を使う典型例としては、亡くなった人がマイナスの財産、すなわち借金を残していた場合です。
財産と聞くと、不動産や現金預貯金、株券といったプラスのイメージがありますが、借金というマイナスもれっきとした相続財産です。

何もしなければ亡くなった人が遺した借金を相続人が肩代わりしないといけなくなります。
そうならないためにも、家庭裁判所に相続放棄の申述を行うのです。

ところがです。
一般の方とお話していても、相続を放棄した、というお話を伺うことがありますが、みんながみんな家庭裁判所で申述したわけではないのです。

一例だと、父親が亡くなったけど、父親が遺した実家は母親や兄弟姉妹で話し合った結果、父親名義から母親名義にすることに決まった、というケース。

母親が父親名義の家を相続するという内容を示した合意書(遺産分割協議書、と言います)にハンコ(実印)を押した、という話。

この場合だと、後々になって亡父のヘソクリが出てきた場合については権利があります。(もらえる可能性がある)
あくまで「実家については」権利を放棄したに過ぎないからです。

家庭裁判所に相続放棄を申述してしまった場合だと、一切権利はありません。

ですので、「相続放棄」という言葉が一般の方から出てきた場合は「家庭裁判所に書類だしたのですか?」と確認するようにはしています。

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