過去は変えられるか?
生きていれば、自分に非がなくとも、理不尽な目に遭うことがあります。
自然災害だったり、事故あるいは犯罪に巻き込まれたり…
そして「いじめ」もそうです。
大抵は些細なきっかけでしょうが、次第にエスカレートして、中には悲しいことに自ら命を絶つ人もいます。
こちらの書籍の著者もその一人でした。
20年前以上に出版された本ですが、結構話題になったと思います。
ただ、当時私は法律とは関係ない業種の会社に勤めており、法律は大学で挫折したので(苦笑)、興味は惹かれませんでしたが。
ちなみに読んだのは2年ほど前に友人に勧められたのがきっかけです。
著者の大平光代さんは、中学生の時にいじめに遭い、割腹自殺を図ります。
その後、非行に走ったり刺青を入れて暴力団組長の妻になったりと悪事の限りを尽くしますが、後に養父となる「大平のおっちゃん」との再会をきっかけに一念発起し、とうとう司法試験(しかも旧制度)に合格して弁護士となる…という実話です。
彼女の更生のきっかけとなったのが、その大平のおっちゃんの一喝。
「あんたが道を踏み外したのは、あんただけのせいやないと思う。親も周囲も悪かったやろう。でもな、いつまでも立ち直ろうとしないのは、あんたのせいやで、甘えるな!」
だから、あなたも生きぬいて 大平光代著・講談社
この本で私が一番衝撃を受けたのはこの部分でした。
当時(というか最近まで)、どこかしら自分の上手く行かない境遇を周りのせいにしていた節がありました。また、周りにそのような被害者意識を持った人もいましたが、結局は自身の投影だったのでしょう。
過去の理不尽な出来事を恨み続けるとは、自ら「被害者」で居続けるという「選択」をしていることになります。
するとどうなるか。周りを恨み続けたくなる出来事が起こり続けます。
結局は自分が「オーダー」しているのです。
ずっと「被害者」でいるために。
被害者であることのメリットは、当人にとっては努力しないことへの正当事由なのかも知れません。
こう言うと「だって過去は変えられないやん!」と言いたくなる人がいるかも知れません。
確かに、起こった出来事そのものは変えることが出来ませんが「解釈」を変えることは出来ます。
すなわち
「あの時のあの出来事のせいで、自分は今も(この先も)不幸なんだ」から
「あの時、あの出来事があったからこそ、自分は本当の幸せを掴むことが出来たんだ!」
に変換されます。
するとどうなるか。
「あの出来事」はいくら遣っても減らない「財産」になります。
私も大平さんほどではありませんが、それなりに人生経験を積んで時には辛い思いもしてきました。
でも少しずつ「あの出来事のせいで」を「あの出来事があったからこそ」に「換金」できるようになってきました。チャリーンチャリーン。
もっと言えば、ちょっと変な話ですが、人はそもそもこの世に生を受ける前に自らの人生の脚本を書いてきています。ただ、知っていたら面白くないので、生まれたときにすべて忘却しているだけで。
一言で言えば「使命」でしょうか。
きっと多くの人はハッピーエンドで終わる人生脚本を書いてきているはずです。
映画でも、山も谷もない順風満帆なストーリーは全然面白くありませんよね。
人生も映画と同じです。
どうせ最後にはハッピーエンドが待っています。
だから、何があっても大丈夫です。
ただ、ハッピーエンドで終わるためにはきっちりと主演俳優・女優を演じきらないといけません。
いつまでも「被害者」でいるのは主演を降りるようなものです。
かなり年を取ってから成功を掴んだ人も沢山います。
時折思い出の中で、あなたは支えてください
さだまさし「主人公」
あなたの人生の中では、誰もがみな主人公だと
※過去の変え方については、以下書籍も参考になります。
「だからあなたも生き抜いて」私もこの本は大好きです。初めて読んだのはずいぶん前で、2回目を読んだのは15年くらい前です。その後、光代さんは結婚されたのちに大阪市の助役になり、少しして辞退し、お嬢さんに恵まれたそうですね。助役を辞退された理由は公開されてなかったと思います。そのお嬢さんがダウン症で、弁護士のご主人はわかってから沢山のダウン症関係の本を買い漁ったと言ってらっしゃいましたが、母の光代さんは娘がダウン症と聞いた瞬間、「あぁ、そうなん」だったとか。
お嬢さんらしくゆっくり成長できるようにと「遥」と名づけたと言っておられました。
細かいことは置いといて、ステキな肝の座った女ではないですか!
傷つくのも、ぐれるのも、学ぶのも、愛するのも、全力‼️
私もそうありたい
connieさん、コメントありがとうございます。
娘さんのお話はチラと聞いた事あります。
彼女はきっとベストな母親を選んで地球にやって来たのでしょうね。
大平先生の著作は他にもあるみたいなので、読んでみます。
「私もそうありたい」というのは、「私もそうなれる!」ということです☺