漫画と法律

漫画と言えば「鬼滅の刃」が老若男女問わず大人気ですよね。
私も毎週アニメ観てます。

ところで、日本人なら誰しもが一度は見たことがある漫画が「ドラえもん」ではないでしょうか。

その第一話で、のび太の子孫であるセワシが言うには、のび太が遺した莫大な借金のせいで、今年のお年玉がたった50円だったと。
だから、のび太の小学生時代にドラえもんを派遣して今から再教育して未来を変えようとしたのでしょう。

小学生の頃はそのシーンを見て「さすがに50円はかわいそうだな」と思いました。

数十年後、大人になって司法書士を目指していた私は、民法の相続法の勉強をしていた時に、このシーンを思い出し思わず突っ込みました。

「のび太の遺族は相続放棄せんかったんかい!!」

相続放棄というのは、文字通り相続人である地位を放棄する、という制度で、家庭裁判所に相続放棄申述の書類を提出して行います。
司法書士がその書類作成のお仕事を受任することもあります。

相続放棄をすると、相続発生時(故人の死亡時)にさかのぼって、相続人にならなかったことになり、相続人の財産を相続することはできなくなります。

相続財産と言えば、不動産とか預貯金が思い浮かびますが、借金も相続財産です。マイナスの。

ですので、のび太の遺族のように、相続が発生しても家庭裁判所に行かずにそのまま放置していたら、相続人が故人の借金を背負ってしまうことになります。

そこで、故人が借金を遺していた場合に、その借金を背負わないために相続放棄を申し立てるのがよくあるパターンです。

漫画にマジツッコミするのはちょっと大人げないですが(笑)、相続法を勉強した人は誰しも同じ疑問を抱いたのではないでしょうか。

ドラえもんの尽力でのび太の未来を変えることができれば、(借金から逃れるための)相続放棄の必要性はなかったということになりますが、逆に彼が大成功して莫大な財産を遺した場合は、ちゃんと遺言を残しておいてほしいところですね。

ここまでお読みいただいて、
「漫画だから未来を変えることができるんだよな」とかお思いの方もいらっしゃるかも知れませんが、未来と言うのは実は無数の選択肢があります。
どんな人にも平等に。
今の延長線上が未来と言うわけでは決してありません。

億万長者の未来も、ホームレスの未来も、遺言を残しておかないと相続ならぬ争続が発生しかねない未来も、遺族が相続放棄しないと子孫のお年玉が50円になる未来も、全てあなたが選択します。

この話はまたの機会に。

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