遺言信託って?
2日ぶりにあん活しました。
これで夜までもちます。
あんこは腹持ちが良いので、ダイエットフードにもなりえます。
よく銀行で「遺言信託」と書いたポスター等を見かけたことはございませんか?
「信託って、某あんこジャンキー司法書士がうわごとのように言っているアレか」
と思っていただければ幸いです…と言いたいところですが、
アレは信託法の信託とは実は違います。
金融機関が提供しているサービスの名称です。実にまぎらわしい。
簡単に言えば、遺言を書く手伝いをしてもらって、書いた遺言を保管して執行してもらう一連のサービスの事です。
財産を次世代に「託す」という意味で信託という言葉を使われていると考えます。
信託法にも一応、3条2号に遺言信託の規定はあります。
信託法第3条
信託は、次に掲げる方法のいずれかによってする。
1号 (省略)
2号 特定の者に対し財産の譲渡、担保権の設定その他の財産の処分をする旨並びに当該特定の者が一定の 目的に従い財産の管理又は処分及びその他の当該目的の達成のために必要な行為をすべき旨の遺言をする方法
3号 (省略)
1号と3号は割愛しましたが、1号が委託者と受託者との契約による信託(契約信託)、3号が自己信託です。
要するに、遺言で信託する財産や受託者(信託財産の形式上の名義人となって、財産の管理・処分を行う人)、や受益者(財産の実質上の権利者で、信託財産の利益を享受する人)などを指定するのです。
ただ、遺言なので、遺言者である委託者(財産を託す人)が亡くならないと効力が発生しません。
それに、遺言で指定された受託者は、いやだったら断ることもできます。
なので、遺言の効力が生じても、遺言の内容が実現されるかについては未確定要素があります。
であれば、遺言にしなくても、普通に受託者になってくれる人との間で信託契約を結んでおく方が良いのではないかと個人的には考えますが。
遺言信託が使われる場面、私なりに考えてみました。
信託の必要性は理解しているものの、自分の目の黒いうちはたとえ信託でも財産を誰にも渡したくないような人、別の言い方をすれば「所有権」で全部持っておきたいような人。
あるいは、信託できない財産など(負債や祭祀者)についての遺言を書く時に一緒に遺言の内容としたい、でしょうか。
いずれにせよ、当事者でないと分からない事情もありますので、もしかすれば遺言信託を使う場面が出てくるかも知れません。
その意味ではあえて信託を遺言で行う遺言信託もある程度の需要はあるのではないか、と考えます。