お試し信託

今日から11月です。仕事前におついたち参りさせていただきました。
ふと思い出したのですが、今日で堺市市民になってちょうど13年だったのですね。

13年前に堺市内の事務所に就職して、仕事が増えてきて残業もするようになったので、事務所まで自転車で通勤できるところまで引っ越したのでした。
実はこの時が生涯初ひとり暮らしだったのですね。

以来、この13年間、何から何まで順風満帆だったかと言えば…まあ人生やり直したいと思ったことも一度や二度ではありません(笑)
「なんであんなことしてしまったのだろう」ということが両手で数えきれないくらい…

ですが、あとから振り返るからこそ、そう考えてしまっているわけであって、当時の自分としては精いっぱいの判断をしたことは間違いありません。

過去のやらかしも、学びという名の、遣っても減らない財産です。
まさにこれからの繁栄のための13年間だったことに違いありません。

とはいえ、会社経営においては、判断を誤ると会社の屋台骨を揺るがしかねません。
私もまだ経営者としては2年少しなので偉そうなこと言えませんけど。

会社でありがちな問題としては事業承継の問題。
某芸能事務所がその件でお騒がせだそうですが、あいにく私はそっち方面には全く疎く…

事業承継の方法としては先代が後継者に会社の株式を譲渡あるいは贈与して行いますが、譲渡費用だったり税金だったり、安くはない出費がかかります。
場合によってはそのための資金を銀行から借りたりしますし、むしろ銀行や銀行についているコンサルタントが融資ありきの提案をしてきたりします。

それで、結局後継者が経営者として不適格であった場合だと、元に戻す(株式を先代に戻す)というのはまた費用がかかってしまい、引っ込みつかなくなってしまいます。

そこで信託です。

株式を信託するのです。
これによって株式の財産権(配当を得る権利)は先代に留保され、後継者は株主総会での議決権(平たく言えば会社の事を決められる権限)だけもらいます。

ここで重要なことは、株式の財産権そのものは先代のままにあるので、財産の移動が発生していない、だから税金も譲渡費用もかからない、ということです。

もっと言えば、後継者が会社のハンコを得たことを幸いに好き勝手野郎としても、そこにも一定の制約、権限行使の同意権や指図権を付けることもできます。

で、ダメだったら元に戻す、株式の信託契約を終了させればいいのです。
とはいっても株式の財産権は1ミリも動いていないので譲渡・贈与の時のようなややこしい問題は生じません。

同様にM&Aに信託を活用することもできます。
株式を売却するのではなく、まずは信託して、うまくいきそうなら正式に財産権を移転してダメであればもとに戻せばよいのです。
もちろん対価は発生しません。

株式信託はやり直しがきくので会社経営においても活用できる場面が増えてくると思います。

私たちの過去の行為はやり直しできませんが、その代わり「解釈」を変えることによって過去を変えることは可能です。
以下の書籍はご参考まで。

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