そもそも遺留分とは?
遺言を書くうえでは避けて通れないのは「遺留分」
この制度があるからこそ、いくら自分の財産とは言え、死ぬときには自由にできないのですね。
では、なぜ遺留分の制度があるのか、ちょっと調べてみました。
明治民法
第1130条
法定家督相続人たる直系卑属は遺留分として被相続人の財産の半額を受く
此他の家督相続人は遺留分として被相続人の財産の3分の1を受く
第1131条 遺産相続人たる直系卑属は遺留分として被相続人の財産の半額を受く
遺産相続人たる配偶者又は直系尊属は遺留分として被相続人の財産の3分の1を受く
文語体で読みづらいですが、簡単に言えば遺留分制度は家督制度とワンセット。
「家」を潰さないために財産の流出を防ぐための制度だったのです。
ところが日本が敗戦し、昭和22年の民法改正で家督制度は廃止されて、遺留分制度だけが残ったというお話だったのですね。
ちなみに現在の遺留分の条文はこちらです。
民法第1042条
第1項 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次条第1項に規定する遺留分を算定するための財産の価額に、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合を乗じた額を受ける。
①直系尊属のみが相続人である場合 3分の1
➁前号に掲げる場合以外の場合 2分の1
第2項 相続人が数人ある場合には、前項各号に定める割合は、これらに第900条及び第901条の規定により算定したその各自の相続分を乗じた割合とする。
本来的には日本は私有財産制が保障されているはず。
なのに、自分が死んでからとは言え、自分の財産を自由にできないとはいかがなものか。
諸外国に比べると、日本人はお金に対するリテラシーが低く、かつお金を受け取ることに罪悪感を持つ人も少なくないのですが、こういう制度が残っているからこそなのではないかと個人的に考えます。