二つの世界
日本は憲法で私有財産制が保障されています。
憲法第29条
第1項:財産権は、これを侵してはならない。
第2項:財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
第3項:私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
国家が〇ャイアンみたく「オマエの物はオレの物」とか言ってこないのですね。
それを受けて、民法では所有権について以下のように規定されています。
民法206条第1項
所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
この民法というのは、法律専門職にとっては重要な法律でもあります。
司法書士や行政書士の試験、あるいは司法試験でも民法は最重要科目とされています。
そして、人が死んだらその人の財産については法律で相続人が権利を有して、規定通りの相続分で共有したり、話し合いで誰のものにするかを決めたりします。
あるいは、自分が死ぬ前に遺言を書いて、それで財産が誰のものになるかを自由に決めたりできるのですが、相続人になる人の遺留分にも配慮する必要があります。
これらもすべて、この「民法」で定められているのです。
ところが一旦、特定の財産について信託契約を結ぶとその財産は民法の規制下からは外れます。
いわば「民法の世界」から「信託法の世界」に移るのですね。
信託法の世界では財産を持っている人が死んだ場合はあらかじめ信託契約で決められた人が財産を受け継ぐことになりますし、これはまだ議論の余地はありますが、遺留分請求の対象外にもなります。
そして信託契約が終了した場合にその財産はまた民法の世界に戻るのです。
まるでパラレルワールドみたいですね!?
まあとにかく、あんこのある世界であれば良いのです。
叶匠寿庵さんの「あも極」です。
高級な甘さ。普通に1本丸かじりできそうです(笑)