相続財産の把握
相続の手続は大きく分けて
1.相続人の調査
2.相続財産の調査
3.相続人間での遺産分割協議
4.遺産分割協議に沿った各種手続き
(不動産の相続登記、銀行預金の払戻なd)
という段階に分けることができます。
また、以上に加えて相続税の申告が必要となる場合もございますが、詳細は税務署や税理士さんなどにご相談ください
3,4の手続きを行ううえで必須となるのは1,2の調査です。
1の相続人については面倒ですが戸籍を集めて行けば把握することかできます。
問題は2です。
時々ですが「被相続人(亡くなった人)の相続財産はどうやって調べるのですか?」というお問い合わせをいただくことがあります。
不動産であれば、毎年5月頃に固定資産税の納付書が送られてくるので、その中の課税明細に不動産が記載されています。
それが見つからない場合でも、不動産を所有している市区町村の役場の固定資産税を取り扱う窓口に「名寄帳」を請求すれば、そちらに全て記載されています。
もちろん、複数の市区町村で不動産を所有されているのであれば、それぞれの市区町村に請求する必要があります。
あと、被相続人に借金があったり、あるいはローンを支払い中であれば、各信用情報機関に相続人の立場で被相続人のクレジットやローンの取引状況を調査することができます。
信用情報機関にはCIC、JICC、全国銀行個人信用情報センターと3つあります。
(詳細は各リンク先のページをご参照ください)
あと出来そうなのは、被相続人の遺品(特に書類関係)をくまなく調査することぐらいでしょうか。
もしかしたら自筆証書遺言が出てきたりするかも知れませんね。
銀行に口座を開設していたり、株式や投資信託などを行っている場合、あるいは誰かからお金を借りているor貸している場合だとそれに関する手紙が送られてくる場合もありますので、郵便物もチェックしておいた方が良いでしょう。
とはいえ、相続財産を完璧に把握するのも難しいかも知れません。
遺産分割に限らず、完璧にあまりに固執しすぎると、相続手続も前に進みません。
こうした場合に奥の手がございます。
遺産分割協議書に次の一文を付け加えます。
本協議書に記載のない遺産および後日判明した遺産については、相続人〇〇がこれを取得する。(または相続人全員にて協議する、という表現にする)
まあ、一番良いのはご本人(被相続人)が生前に分かるようにしておいていただくことですが、その一つの方法を次回ご紹介いたします。
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