ごめんですんだら…
子供の頃、お友達とケンカしたとき、あるいはお母さんに怒られた時などに「ごめん」と言っても、
「ごめんですんだら警察いらんわ!!」
と言われた事のある、あるいは逆の立場で言った事のある方は多いかと思います。
ちょっと昔には、このパワーフレーズが大阪府の警察官募集のポスターにも使われました。(参照)
でも、ある時私はふと思いました。
あのフレーズって「ごめんですんだら民法709条いらんわ!」が正しいのではないのかと。
民法第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
民法709条は「不法行為」について規定してある条文です。
分かりやすく言えば、人様の権利を害した場合、具体的にはケガさせたり、物壊したり、あるいは悪口などで心を傷つけたりしたら賠償せえよ、と言う条文です。
こちらの方がしっくりこなくないでしょうか?
でもよくよく考えたら、例えばドロボー(窃盗犯)が物盗んどいて単に「ごめん」とか言ったのであれば「警察いらんわ!」の方がしっくり来ますので、「警察いらんわ!」もあながち間違いと言うわけではないみたいです。
刑事事件(犯罪にからむこと)なら警察で、
民事事件(私人間のトラブル)なら民法ということになるのでしょうか?
それならいっそのこと、刑事も民事も究極のところは裁判で決まるので、
「ごめんですんだら裁判所いらんわ!」
がベストなのかも知れません。
とはいえ、立法権・行政権と並ぶ日本の三権の一角である司法権を担う裁判所。
あらゆることが「ごめん」ですんでも、存在意義がそれで損なわれることはないでしょうが。
もっとも、「ごめんですまない」ことでお困りの方は弊所までお氣軽にご相談ください。