延長しますか?

キャバクラやカラオケボックスで上記のセリフを言われたことのある方は少なからずいらっしゃるでしょうが、相続でもそういうシーンは出てきます。

「透明なゆりかご」等で知られる沖田×華(ばっか)さんの作品が結構好きでよく読むのですが、最近読んだのがこちらの作品↓

長らく音信不通であった沖田さんの父親が急死したという知らせを受け、ご本人や弟さんがその後始末に奔走する、というお話。
で、父親は多額の負債を遺していたので、当然ながら「相続放棄」という選択を取りますが、中には非協力的な親族もいて、
「3か月以内にしないと間に合わない!」というセリフが出てきます。

すなわち、3か月以内に相続放棄する旨を家庭裁判所に伝えないと、父親の負債を背負うことになってしまいます…

民法の条文はこちらになります↓
民法第915条
第1項
 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
第2項 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。

でも、実はこの3か月も延長できるのです。
それが、「相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立」です。

いくら親子とは言え、別々に暮らしていたり長らく音信不通であれば、亡くなった親がどれだけ財産(あるいは負債)を遺していたか、すぐには把握できないのは普通です。

そのために第2項の規定があるのですが、3か月なんてあっという間です。
それで承認か放棄か結論出せというのはちょっと相続人が気の毒です。

そのためにあるのが、「相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立」です。
これによって考える期間を延長できるのです。

とは言っても、キャバクラのボーイさんみたく、裁判所の職員が「延長しますか?」とは聞いてくれませんので、相続人からの申立が必要です。

私も何度か手続きしたことがありますが、書類が揃っていれば普通に通ります。

裁判所のホームページから申立書や記載例などが載っています。親切ですね。

で、漫画の話に戻りますが、
沖田さんは死後手続きでかなりの苦労をされ、体調も崩されたりしましたが、それを通じてあらためてキライだったはずの父親との絆を知って、そして父親の愛に氣づいたというお話です。

まあ親子とはいえ他人なので性格的あるいは価値観などで合う合わないはあって当然です。
とは言っても、魂レベルでは繋がっているし、それが分かることで幸せを感じられるのかな、と思いました。
ご興味あれば冒頭のリンクをクリックしてみてください!

まあ、順番では親を見送ることが自然なので、そういう日がいつかやってきますし、すでにご経験された方もおありでしょう。

ですので、その日が来た時の備えはやっておいて損はありませんし、決して「早すぎる」ことはありません。

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